第46章 白石莉緒に子どもを堕ろさせろ!

中島秘書が素早く駆け寄って彼を支え起こした。藤井修也に何年も付き従ってきたが、この男は「冷静沈着」の代名詞だった。

こんなふうに取り乱す姿など、いつ見た?

中島秘書は、原因が立花結月にあるとすぐ察した。両手が血で真っ赤なのを見て、思わず言う。

「社長、まずは止血を……」

だが藤井修也は最後まで聞かない。中島の手を乱暴に振り払い、よろめきながら前へ駆け出した。

「社長、車を回します!」中島秘書が追いすがる。

藤井修也の顔を見て確信する。立花結月に何かが起きたのだ。でなければ、昏睡状態の妹を病室に残してまで飛び出すはずがない。

カリナンがちょうど滑り込んできた。藤井修也はいつもの落...

ログインして続きを読む