第81章 大きな贈り物を贈る、私たちの離婚の贈り物として

今の光景は、あの夜とあまりにもよく似ていた。

ただ、主役が立花結月ではなく、藤井修也に入れ替わっただけだ。

藤井修也は何度も彼女の名を呼ぶ。焦りと苛立ちが滲む声で。

「結月……何が欲しい? 話し合えるだろ」

立花結月の足が、ほんのわずか止まった。けれど振り返らない。

闇の中、藤井修也には結月の輪郭だけがぼんやり見えた。俯いたまま、指先でドアノブを握りしめている。表情は読めない。ただ、削げた肩が小さく震えていた。

低く、掠れた声が落ちてくる。

「藤井修也。あの夜、私もこうやってあなたの名前を呼んだ。……あなた、振り返った?」

藤井修也は息を呑んだ。

脳裏に、あの夜の光景が鮮明...

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