第86章 もう待てない、今すぐ手術する!

夜気は水のように冷たく、骨の芯まで刺す風が吹きつけていた。

立花結月は上着を脱いでしまい、身にまとっているのは薄い寝間着だけ。

肌にはぶわっと鳥肌が立ち、こめかみのほつれ髪が耳元でかすかに揺れる。

藤井修也の、ほとんど懇願に近い視線を受け止めて、結月は声にならない溜息を落とした。

「……どうしていつも私を追い詰めるの。気持ちって、追い立てて生まれるもの? そんなことをすればするほど、私はあなたから遠ざかるだけ」

修也は彼女の小さな手を握りしめ、掠れた声で言った。痛々しいほどに。

「結月、追い詰めてなんかない。……どうしたら許してくれる?」

結月は目を伏せたまま、淡々と突き放す。...

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