第91章 彼女を抱き寄せ、彼女の唇にキスする

カフェ。

中島颯真が腕時計に目を落としてから、きっかり一時間後。藤井修也がようやく奥から出てきた。

「永橋医長。妻の結月のこと、どうかよろしくお願いします。こちら名刺です。今後、結月に何かあったら……真っ先に私へ連絡をいただけますか」

「藤井社長、恐れ入ります」

永橋医長を見送るなり、中島颯真が堪えきれずに食いついた。

「奥様、妊娠じゃないんですか?」

藤井修也は眉間に皺を寄せる。

「違う。ここ二か月、永橋医長が薬を変えたせいで……食欲不振、吐き気、眠気。副作用が出てるだけだ」

「じゃあ昨夜、奥様があんな格好だったのは?」

「たぶんMRIの検査着だ。胃の具合がよくないらしい...

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