第111章

妃那視点:

舞団の新しい公演――その全ての振り付けを任されることになり、紗季に呼ばれて一緒にオフィスへ向かうことになった。

「少し時間かかるかも。待っててくれる?」

私は葉夜にそう声をかける。

「君のために来たんだから、待つ以外に何をするんだ?」

柔らかく微笑んで、いたずらっぽく片眉を上げる。

「仕事のことは気にしないで。思いっきりやっておいで」

ミーアがくすっと笑って言う。

「あなたたち、本当に仲いいわね。見てるこっちが羨ましくなるくらい。なんだか、私まで結婚したくなってきちゃった」

葉夜は何も言わない。

私はミーアを一瞥し、淡々と返す。

「いい人に会えたなら、結婚も...

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