第117章

妃那視点:

ラヴェッロから戻ってきてからというもの、インスピレーションが泉みたいに湧き出して、私は寝る間も惜しんで振り付けに没頭していた。

紗季の求めている「その感じ」を少しでも完璧に表現したくて、最初の版を仕上げてからも何度も改訂を重ねる。

そうして、丸々一か月が経った頃――ようやく最終版の振り付けが完成した。

この一か月、まともに眠った記憶がない。ここまで私を支えていたのは、もはや気力と「好き」という気持ちだけだったけれど、その燃料も使い切ってしまったらしい。

押し寄せる波みたいな疲労が、一気に私を飲み込んでいく。

ふらふらしながらベッドにたどり着くと、そのまま倒れ込むように...

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