第124章

妃那視点

電話を切ったとき、目の前で呆然と取り乱す恵麗の視線とぶつかり、胸の奥にぞくりとするほど痛快な熱が込み上げてきた。

「妃那、あんた今なにしたの! 私はあんたの母親よ! 助けもしないで警察だなんて、頭おかしくなったの!?」

震える声でまくし立てる恵麗の言葉に、血が一気に沸騰する。

さっきまでどうにか抑え込んでいた怒りが、火山の噴火みたいに制御不能で噴き上がった。

「母親?」私は鼻で笑い、真っ直ぐに恵麗を射抜いた。「口を開けば「母親」って言うけどさ、この何年、母親としてやるべきことを一度でもした? 大学のときは仕送りを切って、こっちにバイトさせたよね? 真冬の吹雪の日に外に放り...

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