第129章

葉夜の視点

通話を切ってスマホをテーブルに置いたとき、ふと顔を上げると、妃那の潤んだ瞳と目が合った。

さっきまで俺の下で乱れていた余韻がまだ残っているのか、その眉目には艶っぽさと色気が絡みついている。見ているだけで、また体の奥が熱を帯びる。

俺は身を屈めてその唇に口づけし、低く囁いた。

「さっき、疲れて寝落ちしたんじゃなかったのか」

「あなたがうるさくして起こしたんでしょ」

小さく拗ねた声。

「誰からの電話? そんなに怒るなんて」

「さあ、誰だと思う?」

片眉を上げて問うと、彼女はくすっと笑い、だるそうに俺へ向かって流し目をよこした。

「金彦の声、ちゃんと聞こえたわよ。賭...

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