第130章

祈葉視点:

 強い力でぐいっと押されて、私は二歩、三歩と後ろによろめいた。怒りと驚きが一気に込み上げ、相手を睨みつける。

「……なんで、あんたなのよ」

 梓馬はふっと鼻で笑い、自分の膝にまたがっていた女の尻をぱん、と軽く叩いた。

 女は不満げに鼻を鳴らし、水蛇みたいに腰をくねらせて妖艶に立ち上がる。

 振り返った拍子に、こちらを睨みつけてきた。まるで私が、彼女の邪魔をしたと責めているような目で。

 どスケベ丸出しの安っぽい女が。

 なんで私が睨まれなきゃいけないのよ。

 いいわ。私が金彦の家族の女主人になったら、その目玉、抉り取ってやるんだから。

 胸の内で毒づきながら、私...

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