第54章

妃那視点:

「もういい!」

修二の平手打ちが、乃花の頬を鋭くはじいた。「今すぐお前を国外に飛ばしてやる!」

乃花は泣き喚きながら、怯えた声で修二に縋りつく。けれど修二は一切取り合わず、部下に命じてそのまま彼女を外へと引きずっていかせた。

そんな騒ぎのあとでは、とても食事を続ける気分にはなれない。部屋に戻って着替え直すと、葉夜が「外で少し遊んで、気晴らしでもしてきなよ」と言ってくれた。

私は彼を見上げて笑う。

「ちょっと遊んだくらいじゃ、私の怒りはおさまらないわよ。私、けっこう根に持つタイプなんだから。あなたのお金を全部すっからかんにしてからじゃないと」

葉夜は、ぎょっとしたよう...

ログインして続きを読む