第66章

祈葉の視点:

私は一気にうろたえ、入口に立っている人物から目が離せなくなった。

近づいてくるその人影が、はっきりと顔を見せた瞬間、呼吸をするのも忘れる。

真那――。

どうして、真那なのよ?

ありえない。あいつはもう死んだはずでしょ!

あのクソ担当、私を殺す気?

突然の「死者の復活」に頭が真っ白になり、どう動けばいいのか分からない。

ただ、真那がどんどんこちらへ歩み寄り、紗季の目の前で立ち止まるまで、成り行きを見守るしかなかった。

「紗季さん、祈葉に騙されないでください! あいつはただの泥棒です。この振付は、あいつが盗んだものなんです!」

紗季が眉をひそめ、真那と私とを見比...

ログインして続きを読む