チャプター 51

アリアはほとんどの仕事を片づけていたし、モイラの担当も大きな波乱を起こしそうにはない。スカーレットはようやく、新しい企画の準備に全力を注げるようになった。

ただ、ひとつだけ片づけなければならない厄介事があった。スポンサーからの要望だ。

セバスチャンが、ある特定の人間を企画にねじ込むと言い張ったことを、スカーレットは忘れられないでいた。

口ぶりは軽かったが、扱いは難しい問題だった。

「見栄えのためだ。重要な役を要求するつもりはないし、君の基準に従う」そう言ってはいた。けれど、こちらが本当にその通りに手配したら、エマが黙っていない。

それに、アレクサンダーの――近いうちに婚約者となる女の...

ログインして続きを読む