チャプター 58

アレクサンダーは、スカーレットが気を取られた一瞬を逃さず、身を寄せてもう一度唇を重ねた。

傷口に触れられた途端、スカーレットは痛みに顔をしかめ、彼を押しのけようとする。

だがアレクサンダーはさらに強く抱き締めるだけだった。唇と舌が絡み合い、ふたりの間の緊張はますます濃く、熱を帯びていく。

冷たさへの罰を与えたいのか、アレクサンダーはわざと、傷ついた下唇を舐め上げた。

生来敏感なスカーレットは、その仕打ちに耐えきれず、ぽろりと涙をこぼしはじめる。

力のない手で彼の腹部を押し、ほんのわずか息を継げたときに、哀れを誘うような喘ぎが漏れた。

アレクサンダーの目に宿る欲望が、激しく燃え上がる...

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