第7章

 復讐の第一歩は、正司が握る最大の権力の源泉を断ち切ること。

 圭也のハッカーチームが、追跡不能な暗号化IP回線をすでに敷いてくれていた。木村謙二郎のプライベート回線へ、直通でつながる。

「準備はいい?」圭也が隣で訊く。

「もちろん」私は息を深く吸い込み、その番号を押した。

 三回のコールで相手が出る。わざと声を低く落とした。

「木村様。川澤グループのCFOです。夜分遅くに申し訳ありません。ただ……川澤正司の状態が、非常に不安定で」

「正司?」謙二郎が勢いよく遮る。

「あのバカ、また何をやらかした」

 ためらいなく、餌を投げた。

「『桟橋』のオフショア資金ラインの件です。本...

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