第113章

「うん、開けて」

宮原知子はノートパソコンを閉じ、テーブルに並べられたジュエリーとドレスに目を走らせた。

相手は岸江立人と並んで出席するのだ。少し改まった装いのほうがいい。

玄関先。

大田が手を拭きながら小走りで向かうと、扉の外にはベルベットの箱を抱えたスタッフが二人立っていた。

「岸江さんが選ばれたオートクチュールのドレスです。宮原さん、ご覧になりますか?」

宮原知子は視線を上げる。

「持ってきて」

「かしこまりました」

黒いスーツのスタッフたちは荷物を置くと、すっと脇に退いた。

「岸江様より申しつけがございまして。こちらの宝飾品とドレスは、すべて宮原さんご自身でお好き...

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