第127章

逃げ去ったそいつが向かった先は、非常階段――安全通路のほうだった。

宮原知子は目つきがすっと鋭くなる。今この瞬間、会場はパニックで誰もが足を止めている。真っ先に外へ出ようとする人間なんて、普通はいない。

それに、シャンデリアは事前に点検済みのはずだ。突然落ちるなんて、あり得るわけがない。

しかも、よりにもよって――自分があの位置に立っていたタイミングで。

……誰かが、わざとやった。

『宮原! 大丈夫か?』

岸江立人がすでに二人のもとへ駆け寄ってきていた。血に染まった長川輝夫の肩を見て、次に顔色の青い宮原知子へ視線を移す。

『お前、ケガは!?』

『私は大丈夫です。長川様のおかげ...

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