第128章

「現場の封鎖と、ゲストのフォローと、それからシャンデリアの件の追跡もある。俺は先に病院へ付き添う」

岸江立人の瞳に、ほんのわずかな諦めにも似た色がよぎる。彼女が身動きの取れない状況だと理解したのだろう、軽くうなずいて言った。

「安心して行け。こっちは全部、俺がやる」

「……うん」

短く礼を言うと、宮原知子は迷いを断ち切り、そのまま救急車へ乗り込んだ。

車内は密閉されていて、空気にはうっすら血の匂いまで混じっている。

病院までは遠くないはずなのに、体感では一世紀みたいに長かった。

長川輝夫の傷は背中側だ。横になるわけにもいかず、座った姿勢のまま運ばれている。

肩口の傷がずきずき...

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