第131章

病室には、ほどなくして三人だけが残った。

宮原知子はもう長川輝夫と口を利く気にもなれず、部屋の隅にあるソファへ腰を下ろす。

身にまとっているドレスはまだ着替えていない。必要なものは、すでに人に届けさせてあった。

――どうあれ、まずはこの数日をやり過ごす。それだけだ。

翌朝。

病室は静まり返っていた。宮原知子はソファで付き添いながら、仕切りのカーテンを引いたまま、浅い眠りに落ちている。

うつらうつらしていると、病室のドアが押し開けられた気配がした。続いて、コツコツと高いヒールの音。

『お兄ちゃん! びっくりした……こんなに怪我して……! 栄養のあるもの持ってきたの。大丈夫? 痛く...

ログインして続きを読む