第133章

背を向けて立ち去ろうとした、その瞬間だった。長川輝夫が彼女の手首を、逃がすまいとばかりに強く掴んだ。

ぐいっと引かれ、宮原知子の足がもつれる。

『あっ!』

短い悲鳴と同時に、もともと近かった身体が一気にバランスを失った。

そのまま――彼の膝の上に、どさりと座り込んでしまう。しかも、硬く張りつめたものが彼女の太腿の間へ、いやらしく押し上げてきて……。

距離はさらに詰まり、吐息が絡む。空気は甘く、危ういほどに濃くなった。

宮原知子の頬が一気に熱を帯びる。彼女は彼の手の甲をぱしんと叩き、声を潜めて吐き捨てた。

『長川輝夫! 自分が何してるかわかってるの!?』

数秒の睨み合いののち、...

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