第136章

鈴野雫は奥歯を噛みしめ、アクセルを床まで踏み抜いた。

――あの女の顔をもう一度見たら、きっと自分を抑えられない。

一方。

岸江立人は車を走らせ、宮原知子をスタジオまで送り届けた。

車が停まった瞬間。

岸江立人は横目で彼女を見て、眉間に皺を寄せる。

『知子。鈴野雫は器が小さい。たぶん、これで終わりにはしない。それに葉山歩美も……どっちも厄介だ。これからは、今まで以上に気をつけろ』

宮原知子は小さく頷いた。眉と目尻に、疲れが滲む。

昨夜は病院で一睡もできなかった。そのうえ長川輝夫みたいな面倒な男の相手まで続いたのだ。さすがに、しんどい。

『わかってます。大丈夫です、先輩』

岸...

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