第153章

けれど、何度目を凝らして見回しても、怪しい人影はどこにもない。

『……私、最近ほんとに疲れてるのかな?』

宮原知子は張りつめた眉間を指で揉み、瞳の奥に滲む疲労と疑念を拭えなかった。

あの二組は、まだ諦めていないのか。

それとも――長川輝夫が、もう自分を調べさせている?

どちらにせよ、望んでいた展開じゃない。

知子は立ち上がり、部屋の中を行ったり来たりしたあと、もう一度だけ玄関と窓の鍵を確かめた。きちんと施錠できていると確認してから、ようやくベッドへ戻る。

『……お願いだから、考えすぎであって』

長く息を吐く。

あの二件はいまだ黒幕が掴めていない。頭の中はぐちゃぐちゃで、落ち...

ログインして続きを読む