第168章

長川輝夫はスマホを取り出し、秘書に電話をかけた。

「調べはどうだ」

『長川様、裏が取れました』

秘書の声が返ってくる。『大田剛人たちは葉山さんに雇われています。葉山さんが200万を渡し、宮原さんを廃工場へ誘い出して、階段から突き落として転落事故に見せかける手筈でした。ただ、もう一組――別口の人間も動いていました。そちらはまだ、誰の差し金か掴めていません。手口がきれいで、痕跡が残っていなくて……』

「葉山歩美……」

長川輝夫は奥歯を噛みしめる。瞳の奥に、鋭い光が走った。

「わかった。引き続き洗え」

『はい、長川様』

通話を切った瞬間、長川輝夫の目は氷のように冷えた。

葉山歩美...

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