第20章

長川輝夫は、葉山歩美が何を言っているのか一言も耳に入っていなかった。視線は少し離れた場所にいる、あの二人に釘づけになっている。

宮原知子は上品なベージュのロングワンピースに、控えめなメイク。つやつやと血色がよく、いつもの地味さが嘘みたいだった。

そして彼女の足元にしゃがみこんだ男が、顔を見上げて、やさしく微笑んでいる。

その光景はあまりにも自然で、あまりにも親密で――焼けた鉄がじゅっと押しつけられるみたいに、長川輝夫の胸を容赦なく灼いた。

「輝夫お兄さん?」

歩美が彼の異変に気づき、同じ方向へ目をやった途端、顔色がさっと悪くなる。

また、宮原知子。

どうして、どこにでも現れるの...

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