第26章

数日が過ぎても、長川輝夫と彼女のあいだに目立った接点はほとんどなかった。

輝夫は一週間の出張を終えて帰ってきたばかりで、顔色はひどく暗い。どう見ても、仕事がうまくいかなかったのだろう。

長く追いかけてきた官民連携の案件が、土壇場で止められた。先方の要求はやたらと厳しく、輝夫の腹の底には怒りが溜まりきっているようだった。

家に戻っても、迎えるのは従順な妻でも、湯気の立つ食卓でもない。冷えた空気が部屋いっぱいに満ちているだけ。

輝夫が主寝室の扉を押し開けると、宮原知子がだぶだぶのヨガウェア姿で腰を支え、額には細かな汗をにじませていた。

腹部ははっきりと丸みを帯び、もともとふっくらした頬...

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