第50章

それからまた3年が経った、H市。

市内最大級のホテルで、最高級のチャリティーガラが開かれていた。名士が集い、きらびやかな光が会場を満たす。

宮原知子の車がエントランスに滑り込む。到着したばかりの飛行機を降りて、息つく間もなくここへ直行した。

岸江立人は言っていた。この慈善晩餐会は重要だと。寄付という名目で好感度を積み上げられるだけじゃない。国内での知名度を一気に広げる、絶好の舞台になる――と。

黒のロングドレス。装飾は抑えめで、潔いほどシンプル。それなのに、彼女の佇まいだけが浮き上がる。澄んだ空気をまとったように。

「宮原さん、こちらへどうぞ」

スタッフに案内され、知子は小さくう...

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