第55章

池島助手は、彼の腕の中にいる長川直志をちらりと見て言った。

「長川様、ご安心ください。できるだけ早く、きちんと調べてはっきりさせます」

長川輝夫は長川直志を連れて帰宅した。

車中、直志は輝夫の胸にすっぽり収まり、驚くほどおとなしかった。まるで、音の出ない人形みたいに。

ベッドへそっと寝かせて、ようやく顔が見えた。しおれたように覇気がなく、いつもの生意気さが影を潜めている。

輝夫が額に手を当てると、じんわり熱い。

胸の奥がひゅっと縮んだ。すぐに電話を入れ、かかりつけの往診医を呼ぶ。

体温計が示した数字は、38度5分。

「軽い発熱ですね。たぶん冷えたのでしょう。深刻ではありません...

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