第57章

家に戻ると、長川直志はさっとシャワーを浴び、ベッドに潜り込んだ。なのに目は冴えたまま、長川輝夫をつかまえて延々と話し続ける。

「パパ、今日ね、すっごく楽しかった」

ベッドの端に腰かけた長川輝夫は短くうなずいた。

「……ああ」

「宮原のおばさん、ほんとにいい人だよ。話し方も優しいし、僕にもすごく辛抱強かった」

「そこまで気に入ったのか」

「うん」直志は大きくうなずき、少し考えてから、まじめな顔で言った。「パパもさ、宮原のおばさんって、僕にほんと優しいと思わない? 僕のこと見てるとき、目が笑ってた」

ふぁ、とあくびを一つ。まぶたが重くなってきたのか、声がとろんと甘くなる。

「……...

ログインして続きを読む