第61章

昼どき。宮原知子は腕時計に目を落とし、穏やかに言った。

「そろそろお姉ちゃん、行かなきゃ。午後は仕事があるの」

長川直志の顔から、ぱっと笑みが消える。

「お姉ちゃん、もうちょっと一緒にいてくれないの?」

宮原知子はしゃがみ込み、目線を合わせた。

「お姉ちゃんはお仕事。時間ができたら、また遊びに来る。ね?」

長川直志は唇をきゅっと結び、それからこくりと頷く。

「うん……じゃあ、ゆびきり」

宮原知子は小指を差し出し、直志の小指と絡めた。

「ゆびきりげんまん、うそついたら針千本のーます」

直志がふっと笑い、玄関まで彼女を見送る。

「お姉ちゃん、絶対また来てね。遊ぼう」

宮原...

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