第75章

早村は彼女をちらりと見た。『ええ。案件によっては、うちとそちらの部署で連携することも多いです。ただ、開発部は機密レベルが高くて……基本、関係者以外は気軽に入れません』

『そうなんですね』葉山歩美はこくりとうなずき、胸の内で静かに算段を立てた。

開発部の入退室権限を手に入れるか――あるいは、入れるだけの「理由」を作るか。

そのとき、書類の束を抱えた社員が開発部へ向かっていくのが目に入った。

ピッ。

入退室システムが社員証を読み取る音。

葉山歩美の目がぱっと冴える。ひとつの計画が、頭の中で形になった。

彼女は書類を抱えたまま二歩ほど前へ出て言う。『早村さん、ちょっと喉が渇いちゃって...

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