第96章

電話の向こうから、甘ったるい女の声が流れてきた。

『大田様、ずいぶんお怒りですね。うまくいってないみたい』

大田広川は、またもや堪えきれずに噴き上がった。

『おまえがあの女を抱けって言ったからだろ! そのせいで長川輝夫に目をつけられて、こんな目に遭ってる! 会社は潰れかけだぞ。満足か?!』

溜め込んでいた怒りを、受話口に叩きつけるように吐き出す。

女はくすりと笑い、言葉の端々に侮蔑を滲ませた。

『自分が無能なだけでしょ。後ろ盾もない女デザイナー一人、落とせないくせに。挙げ句、自分まで巻き添えって……ほんと使えない』

『てめぇ……!』

『いい? あんたに残された道は一つだけ』

...

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