第11章
彼が手を上げると、夜十神南は夜十神謙介に捕まえられて、夜十神望の前に引きずられて跪かされた。全身が震えている。
夜十神謙介は自分の主人を殺そうとしたのが夜十神家の者だとは思いもよらず、思わず力を込めていた。
夜十神望は足を上げ、足先で彼の顎を引っ掛け、夜十神南に顔を上げさせた。彼が黙っているのを見て、耐えきれなくなり、夜十神南の手に足を踏み付け、ゆっくりと踏み砕いた。
夜十神南は痛みで額から冷や汗が噴き出した。
「叔父さん、思い出したか」
夜十神望は体を少し前に傾け、その琥珀色の瞳は陰鬱で冷たく、骨の髄まで邪悪さが滲み出ていた。
夜十神西と夜十神北は夜十神望のこんな姿を見たことが...
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