第57章

神田祥太は肘で隣の吉川龍平をつついた。「これが俺たちの義姉さんか？」

こんな美貌の持ち主が自分の会社に来るなんて、彼は大儲けするに違いない。

吉川龍平は鼻を鳴らした。「間違いなく本物だ、騙しなんかじゃない」

夜十神望は周りの視線など気にせず、美咲の手を引いて吉川龍平と神田祥太のいる方へ歩み寄った。

神田祥太はすぐに笑顔を作った。「義姉さん、こんにちは。俺は望様の親友だよ。もちろん、お兄さんって呼んでもいいけどね」

美咲は顔を上げて神田祥太を見つめ、微笑んだ。

夜十神望は冷たい目で彼を一瞥した。「随分と図々しいな」

彼の大切な人に「お兄さん」なんて呼ばせるとは！

神田祥太はたち...