第12話 九条家当主、養女の除籍を宣告する

結衣の顔から、血の気が一寸ずつ引いていく。

貴弘と優香が同時に顔を上げた。

「他意はないわ」

凛の口調は、今日の天気の話でもするかのように淡々としている。

「ただ、九条家が他人の子どもを十八年も預かってきたんだから、本当の家族を探す手伝いくらい、してあげるべきだと思って」

肘を卓につき、十指をゆるく組む。

「安心して。九条家の調査網なら、すぐに見つかるわ。そうすればあなたも、本当の家族と再会できる」

結衣の唇が激しく震える。凛を凝視する瞳に、涙が盛り上がっていく。

「ここが私の家だ」と言いたかった。「本当の親なんて探したくない」と言いたかった。十八年の情を、なかったことにできる...

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