第134話 凛の合格通知がサイドテーブルに積み上がる中、咲良に届いたのは短大からの一通だけだった

一方、健吾は三通目の封筒を開けたところで、指を止めた。

病室は静かで、加湿器が細かな白い霧を吐き出している。サイドテーブルにはすでに開封済みの封筒が重なっていた。差出人はバラバラで、国内外の名門校の名が並んでいた。

だが宛名欄は、どれも同じ文字を印字している——遠野凛。

健吾はその三文字を見つめ、喉の奥を鈍器で打たれたような感覚に襲われた。思わず扉のほうへ視線をやる。廊下に人影はなく、カートを押す看護師の足音が近づいてきて、やがて遠ざかっていった。

「みんな、凛の?」

春奈が付き添い椅子に座ったまま、声を潜めて言った。その口調には、認めたくないものを無理やり押し込めたような違和感が滲...

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