第135話 空港でぶつかった相手がまさか実の妹だった

同じ街の反対側。九条家の朝は、静かに渡り廊下へ落ちていた。

邸の奥ではすでに忙しなく動き始めている。使用人たちが椿を生け替え、朝食を整える。物音はほとんど立たない。

凛は九条優香から頼まれ、夜明け前に聖華総合病院本部へ向かった。本家直系しか受け取れない、管理区分の漢方原薬を引き取るためだ。

この種の薬は極端に数が少なく、直系の対面受け取りが必須だった。凛は私服に着替え、いつもの旧型国産バイクで家を出る。

羽田空港国際線到着口は異様な騒がしさだった。

九条颯太はアジア巡回のロードショーを終え、予定より早くプライベート機で東京へ戻った。家族にも秘書団にも連絡していない。同行は護衛二人だけ...

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