第136話 遠野健吾は三百十億円を投じ、無価値な不良区画を掴まされた

翌日、私設天文台。

隼人が国際星体名簿の確認書を凛の前に差し出した。小惑星番号と『九条凛』のローマ字表記が並んで記載されている。颯太は二人の後ろに立ち、腕を組みながら、隼人と凛の間を交互に見つめていた。

「命名権はすでに発効している」と隼人が言った。

凛はその一行をじっと見つめ、何も言わなかった。颯太が一歩前に出て、わざと二人の間に割り込み、名簿のページを指さした。

「こんなもの、俺だって申請できる。来年は妹にもっと大きい星を買ってやる」

その声が終わらないうちに、天文台の外で鈍い音が響いた。

区画全体の照明が同時に明滅し、やがて北側の廊下から警報が空気を切り裂いた。見学者たちが慌...

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