第14話 年齢でいえば彼女のほうが姉だ

早川誠介がドアを開けた。表情は微妙だった。「九条結衣様がお見えです」

結衣は漆器の重箱を抱えて部屋に入った。

「お見舞いに参りました。お体の具合はいかがですか」彼女は重箱をローテーブルに置いた。その仕草はわざとらしいほど丁寧だった。

「すべて私の手作りです」

貴彦の目は淡々としていた。「ご丁寧にどうも」

結衣の視線が窓際の隼人をかすめた。隼人は振り向かない。

結衣は下唇を噛み、声をさらに柔らかくした。

「これまでお世話になっております。私、これからも隼人様のお側で、お力になりたいと思っております」

沈黙が数秒続いた。

隼人がようやく振り返った。その目に感情はない。「世話をした...

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