第142話 白金の千羽鶴を胸に留めた瞬間

日差しに洗われた透明な静寂が、車列のエンジン音にゆっくりと切り裂かれた。

礼装車が旧庭の外周を回り込んで正門へ入る。車輪の音が石畳を踏みながら遠くから近づき、やがて庭前で止まった。ドアが開いた瞬間、園内から最後の息遣いまで消えた。

凛が降り立つ。霜白の打掛の裾が車縁からこぼれ、石畳の前庭でふわりと揺れた。

立ち尽くし、視線を上げる。旧庭の奥、数万坪の枯山水が真昼の陽に白く灼け、白山茶花と枝垂れ梅が石灯籠に沿って静かに並んでいた。

庭の中央、三層の盃台が暖かな金色の光を返し、世界の喧騒をすべて門の外へ閉め出している。

石橋宗介と柊貴蔵が主席に並んで座る。防衛省と警視庁の要人、内閣の閣僚...

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