第22話 新社長、一人で会社に乗り込む

遠野家への資金供給を止めた後、凛はようやく父から譲り受けた会社のことを思い出した。

父から譲渡された宝飾会社「桜坞グループ」と二つの鉱山。譲渡手続きは一昨日、完了している。

ずっと祖父が目を覚まさず、凛は回復薬の調合に追われ、会社に足を運ぶ余裕がなかった。

今日が初めての訪問だった。

ロビーの受付に立っていた三十代前半の女性、ネームプレートには「木下由美」。凛が一人で入っていくのを見て、一瞬動きを止めた。

「あの……ご用件は?」

「凛。この会社を引き継いだ者です」

木下はすぐに返事をしなかった。視線が凛の全身を素早く走る——高校生くらいの年齢、白いシャツに帆布のバッグ、同行者はい...

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