第23話 四年間の横領台帳、その場で暴かれる

「……なんで急に、そんなものを?」

沖村は額の汗を拭った。

「設計部に割り当てられた原石はすべてB級以下だ。あの二つの鉱山から、この品質の石が出るはずがない」

「いやあ、そりゃ当然でしょう。設計部はサンプルしか作らないんだから、いい石は製品部と顧客に回すもので——」

「違う」

凛はスマホの画面を向けた。委託加工伝票、出庫記録、カット前の画像が分割表示されている。

「三月。五月。八月。A級パライバトルマリン三ロット、合計四十七カラット。在庫記録には残っている。だが、社内供給の実績は一切ない」

沖村は画面を凝視したまま、口元の笑みがようやく消えた。

「……まさか、帳簿上の問題では?...

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