第26話 礼服を奪った店長、業界から永久追放

深夜にスマホの画面が光ったとき、凛は遠野勝三の最新の血液検査報告書に目を通していた。着信番号は未登録だった。だが、その番号の持ち主はわかっていた——竹内三郎、日本伝統舞踊協会の元理事長。

その前に、竹内はメールを送っていた。

凛はソファの肘掛けにもたれ、指先でスマホの画面をなぞった。老人の文面は相変わらず旧式の作法で、まず彼女の近況を気遣い、先週港区に届けさせた極上の玉露は早めに飲めと添え、本題までに半ページを費やした。

関東学生ダンスコンクールの表彰パーティー。来週の土曜、東京・ザ・ペニンシュラ東京。ぜひ“朧月夜”として出席してほしい。添付データは本大会の受賞作品の全映像。

凛は電話...

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