第42話 彼女は作業員に変装して黒い鉱山へ潜り込んだ

「鉱山」隼人は凛の言葉を受け取らずに言った。「何があった」

凛は引き出しから書類袋を取り出した。「二か月前から労災の数字がおかしい。先週送った人間が連絡を断った。あちらが違法労働者を使い、身柄を拘束している可能性が高い」

隼人は書類袋を受け取ったが、開けなかった。

「自分で行くのか」

「あなたは午後二時の事業評価会議がある。内閣次官が来る。顔を出さなければ、明日の永田町の噂であなたの父親が一週間は持ちきりになる」

凛は机を回り込み、隼人の手から書類袋を取り返した。

「私が処理できる」

隼人は数秒黙った。スーツの内ポケットから黒い金属ケースを取り出し、凛の手のひらに置いた。

「発...

ログインして続きを読む