第44話 彼女の部下は、隼人に殺されかけた

凛は退かなかった。背中がコンテナの鉄壁に触れている。それでも視線は刃先を見ていなかった。

「お前の金庫、一番下の段。赤い表紙の台帳。旧鉱区に埋まってるのは、鉱滓だけじゃないだろ」

健也の手が震え始めた。

「どうしてそれを——」

銃声が鳴った。

弾丸は健也の右手のひらを貫通した。サバイバルナイフが吹き飛び、鉄壁に当たって床に落ちる。血が凛の襟元に飛んだ。

健也は悲鳴を上げて膝をつく。剛太が逃げようと振り返るが、二発目が足元のコンクリートを削り、その場にへたり込んだ。

鷹司隼人が入ってくる。

コートの襟元が開き、ショルダーホルスターが覗く。銃口からは硝煙が薄く立ち上っていた。背後か...

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