第47話 彼女は警察に連行された

翌日の午後、桜塢グループ本社。

凛が社長室から出たところで、自動ドアが滑るように開き、紺色の制服を着た男が二人入ってきた。先頭は四十代前半、警部補の階級章を付け、受付から凛へと視線を移した。

「九条凛さん、傷害の容疑でご同行願えますか」

「どちらの署ですか」

「渋谷中央署です」

廊下で顔を出した者が、慌てて引っ込む。警部補の手が肩に触れるより先に、凛は入口へ向かって歩き出していた。すれ違いざま、わずかに空気が動く。若い制服が小走りで追いかける。

天馬が二階の廊下でコーヒーを片手に、見下ろすように立っている。カップの口から白い湯気が揺れていた。ケイティ・ウィリアムズが廊下の向こうから...

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