第48話 自ら罠に飛び込み、黒幕を暴く

九条貴弘は書斎で携帯を握りしめていた。港区長の黒田貴介に三度目のコールを試みたが、応答はない。まだ電話を置こうとした時、書斎の引き戸が開いた。

「私も行きます」

優香が立っていた。部屋着の和服に羽織を一枚かけただけで、髪も整えていない。だが、その顔色は誰よりも覚めていた。

「何をしに行く」貴弘は上着を手に取る。

「娘が取調室にいるのに、私が何をしに行くか、ですか?」

優香の声は大きくない。それでも一言一言が板に打ちつけられた釘のようだった。貴弘は何も言わず、廊下の千川に目で合図した。

千川は深く頭を下げた。「車は玄関先に用意してあります」

貴弘が廊下を早足で抜け、優香がその半歩後...

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