第49話 澤田天馬の逮捕状が正式に発付された

優香は小走りに近づくと、凛の手を両手で包んだ。指先が手首の浅い赤い痕に触れ、目尻が赤くなる。

「手錠をかけられたの?」

「もう外してもらった。痛くない」

凛の声は柔らかい。貴弘が歩み寄り、その顔から手首へと視線を移す。何ひとつ欠けていないか確かめるように。

「怪我はないか?」

「ない」

隆次が奥から出てきた。外套を着直している。貴弘と優香に軽く頭を下げた。

「九条会長、奥様。お嬢様は取り調べにご協力済みです。本件は本日より警視庁刑事部が直接引き継ぎます。手続き上、問題はございません」

「大島龍太は?」

貴弘の声量は変わらない。それでも近くの署員数名の背筋が伸びた。

「すでに...

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