第51話 社員の家族が病室の前まで追い詰められる

桜塢グループ本社前。隼人は先に緊急で呼び出された。

隆次からの連絡で、龍太の供述から警察署内部に内通者が複数いることが発覚し、その手がかりをすべて押さえるのに隼人の協力が必要だった。少しでも遅れれば、天馬の側に消される。凛に促されて、隼人は渋々その場を離れた。

凛が一階ロビーに足を踏み入れると、空気が張り詰めた。誰も見ず、騒ぐ人波へ視線を走らせ、澤田天馬に留める。

「あいつだ」

声が落ちると同時に、数人の私服刑事が左右から踏み込んだ。天馬は二人の警備員に両腕を抱えられ、ネクタイは捻れ、汗で額に前髪が張り付いている。

「何の真似だ! なぜ俺が——捕まるのはあいつだ! 凛が横領して、証拠...

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