第55話 二十人組、路地に沈む

翌日、定時を過ぎて凛は会社の通用口から外に出た。いつもの道をたどり、商店街の裏手を抜ける。

スマートフォンが光った。ケイティ・ウィリアムズから明日の予定確認。凛は画面に目を落としただけで、歩調は変えない。

そのとき、黒塗りの車が数台、前後から斜めに割り込んできた。急ブレーキの音。二十人を超える男たちがなだれ出る。派手なスーツ、緩めた襟元から刺青が見えた。男たちは無言で迫り、凛を半円に囲む。

「俺の女に手を出したのは、お前か」

先頭の男は三十路を少し過ぎた年頃で、首に派手な金のチェーンを巻き、煙草をくわえている。値踏みするような目で凛を見た。

背後の車から、頭に包帯を巻き、腕をギブスで...

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