第58話 五十嵐修也、神宮家のワイナリーから追い出される

電話は午後に鳴った。

凛は画面を確認し、応答する。

神宮蒼星の声は、どこか気だるげだった。

「新しいワイナリーを高尾の麓に開いたんだ。ブルゴーニュの古酒を何本か引っ張ってきた。君と花梨で味を見てくれないか。成金どもに荒らされる前に」

神田花梨は横で聞きつけ、受話器に顔を寄せる。

「行く行く!あんたの新しいワイナリー、ガラスを割ってやろうと思ってたのに、今さら呼ぶなんて遅いくらいよ」

凛は迷う素振りもなく、短く応じた。

同じ日の夕暮れ。

神宮の新しい別邸の前で、一台のタクシーが止まる。遠野咲良と同行の三浦莉緒が順に降りた。

三浦はバッグから薄青い招待状を二枚取り出し、古い城館へ...

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