第76話 宮下真弓が証言に立つ:凛こそが朧月夜、咲良は私が教えた中で最低の生徒

スクリーンが点灯したが、凛は振り返らなかった。その視線はざわめく人々の先、会場入口へと向けられていた。

宮下真弓が立っていた。濃紺の訪問着を身につけ、髪は一糸乱れず結い上げられている。待ちわびていた様子で、幾重もの観客の間を縫うようにして、凛と一瞬視線を交わした。

凛は歩み寄った。

「宮下先生。舞台で真実を話していただけますか」

宮下真弓は小さく頷いた。

「そのために来ました」

二人は前後して舞台へ上がった。観客は先ほどの終章の衝撃からまだ立ち直れずにいたが、新たな登壇者を見てざわめきが徐々に静まり、無数の視線が宮下真弓に集まった。

遠野は宮下真弓を見るなり、顔色を変え、半歩後ろ...

ログインして続きを読む